生活不活発病は初期段階での対応が大切

日頃から運動をしていない高齢者が、いきなり運動を始めるのは容易なことではありません。若い頃から運動の習慣がついていない人は筋力が低下し、ぜい肉は増えていきます。すると体重が増え、関節も弱くなるのでさらに老化が早くなってしまいます。運動不足の高齢者が介護施設に入所すると、生活不活発病にかかるリスクが高まります。

もともと不活発な人が寝たきりになると、急激に筋肉が衰えていく傾向にあります。生活不活発病の対策で重要なのは、少しでも良いので体を動かすことです。介護職として望ましいことは、入居中の高齢者をただ甘やかす介護をせず、相手に納得してもらったうえで運動を勧めることです。運動をしないことによるデメリット、寝たきり生活になって困ることなどを詳しく伝え、相手に自主的に運動してもらうことが大切です。

運動嫌いの高齢者であっても、毎日少しずつ体を動かすことを習慣化すれば、無理なく続けられるようになる人が多いです。生活不活発病が進行すると運動そのものが困難になるので、初期の段階で運動を始めることが欠かせません。生活不活発病の原因は日々の生活における不活発にあるので、自分でできることは自分でやってもらうことが重要です。着替えでも何でも、日常生活上でできることはたくさんあります。

高齢者の不活発を避けるためには、一人ひとりの趣味を把握しておくことも効果的だといえます。運動が嫌いという高齢者でも、自分の趣味に関連することならば精力的に活動できるという人は多いものです。上手く促して、生活不活発病を初期の段階で予防しましょう。