日常生活を活発にして防ぐ生活不活発病

年齢を重ねるとともに、体を動かすことを億劫に感じることが増えていきます。しかし、高齢者にとって動かない生活が続くことは、生活不活発病になりやすい状態です。

生活不活発病とは、病気などの何らかのきっかけで日常生活が不活発になった結果、心身の機能が低下して様々な病気のリスクが生じやすい状態になることです。外に出て人と接する機会が減ると、筋力の低下や気分の不調、食欲の低下などをきたし、転びやすくなったり認知機能が低下したりする悪循環に入ります。この悪循環はフレイルと呼ばれ、予防・改善をしなければそのままうつや認知症、寝たきりになる可能性があります。

生活不活発病の予防は、生活を活発にし、体を動かすことが大前提です。エレベーターを使わずに階段を使う、車で行くほどでもない距離は歩く、家事を積極的にこなすなど、それだけで十分な運動になります。熱中症に気をつけつつ、自分のペースでウォーキングなどを行うのも効果が望めます。部屋の中でストレッチを行うのも効果的です。筋力が維持できれば寝たきりの危険性を減らすことができます。

ただし、単に体を動かしていれば生活不活発病を予防できるという訳ではありません。心の健康を保つために電話やSNSで家族や友人と話す機会を持ち、悩みや不安を吐き出せるようにしておきましょう。趣味の集まりや町内行事、近所の子供たちとの交流など、社会とつながることで、心身の健康は保たれます。自分らしい活発な生活を送ることで生活不活発病を予防し、悪循環を遠ざけることが肝心です。